あまやどり文庫

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「オールカラー改訂版 格と季節がひと目でわかる きものの文様」

着物の本を30冊読む 01/30

「オールカラー改訂版 格と季節がひと目でわかる きものの文様」

2021/03/18 世界文化社 2,200円

藤井 健三:著

 

<メモ>

着物を集め始めて2冊目に買った本。全ページフルカラーでとてもいい。

季節ごとではなく文様の種類ごとにページ分けがされている。季節からの逆引きIndexがあったら嬉しいなと少し思う。

項目ごとに【季節】【正倉院文様/有職文様/名物裂文様】などのマークが付いていてわかりやすい。ただ、項目が細分化する場合には大項目にしかついていないので、色丸だけでも全部つけてほしかったなと思う。

 

<学び>

特に自分でもよく知らなかったことと、知って感動したことのメモ。

 

正倉院文様とは

正倉院に収められた、奈良時代ごろに西アジアササン朝ペルシャ)~中国(隋・唐)からの染織品「正倉院裂」の文様。または正倉院に収められた宝物を文様化したもの。

さらには法隆寺裂などもまとめて「正倉院裂」と呼ぶこともある。

例:華文柄、狩猟文様、樹下動物文様、蜀江柄

 

有職文様とは

有職」とはもともと平安時代に「有識」の文字が当てられ、宮廷内の儀式や年中行事、公事の礼法に関する知識に通じていること(=博識で教養豊かなこと)を指した。

有職」の文字が用いられるようになったのは鎌倉時代以降といわれ、有職文様は平安時代からの公家階級の装束、調度品、牛車などの装飾に用いられた伝統的な文様のこと。多くは隋や唐から伝えられた文様を日本人好みにアレンジしたもの。

例:浮線綾文、菱文、窠文(窠=水鳥の巣)、小葵文、立涌文

※デザインとしてだけでなく、社会的階級などを示す符号としても用いられた。これについてもっと知りたい。

 

③名物裂文様とは

お茶席などで、茶器の仕覆や掛軸の表装、袱紗などに用いられる裂地のことを名物裂と呼び、これらは鎌倉時代から江戸時代初期に中国経由で輸入されたインドの更紗や東南アジア諸国の染織品の影響を強く受けている。

手法として金襴、銀欄、緞子、間道、錦、風通、紹巴などがあり、さらに固有の名称がつけられているものが多い。

文様は茶道の世界だけでなく気軽なお洒落着の柄としても生かされている。

例:吉野間道、有栖川錦、伊予簾、二人静金襴

 

<思うことと考えること>

この帯は菱形部分がちょっと有職文様っぽい。紗綾形は別に有職ではないらしい。

それっぽいのにな。

唐草風の模様と魚・鳥・蝸牛が組み合わさった文様。とてもお気に入り。

ちょっとこれも昔の宝物っぽい柄じゃないか?

建物柄が好きなのでつい手に取ってしまう(特に和風以外のやつ)。

すごく現代っぽいけどそれもまたよし。

 

この本には実際の帯や着物の写真やモデルさんの着姿が載っているけど、素敵なものが多くてそのものが欲しくなってしまうなぁ。

でもショップを見てるといろいろ欲しくなってしまうのが、この本を読んで文様について知ってからは「自分の理想の姿」をより明確にすることが出来て、あれもこれも、というぼんやりした状態から一歩前進できた。

知識を得ることは大切だ。

 

<次に読みたい本>

この本のカバーに載ってた本が気になっている。

別に検定取る気はないけども。……いや、どうかな。その内気が変わるかも。

基本のき、的な本っぽいけど一見の価値はありそう。